週刊ボカフロ

ボカロ、音声合成ソフトとそのキャラクターに関するニュースをまとめるブログです。

2021年 週刊ボカフロが勝手に選ぶボカロ関連ニュース大賞 (前編)

2022年も明けまして、2021年のボカロ関連ニュースを振り返る企画として、ニュース大賞を選んでみたいと思います。2021年に週刊ボカフロで取り上げた、音声合成ソフトとそのキャラクターに関するボカロ関連ニュースから、週刊ボカフロの視点で勝手に大賞を選びます。

2021年もたくさんのニュースがあり、どれか1つのニュースを選ぶのは大変なので、部門別に大賞を決めることにしました。全部で12部門を予定しています。

各部門で、2021年を代表するニュースを選び、勝手に部門賞を授与していきます。ちなみにトロフィーや賞状は贈呈しませんのであしからず。

全12部門を前編と後編に分けて、今回の前編は5部門について発表します。前編5部門だけで長い記事になってしまいました。後編は現在作成中ですが、1月中に出したいと考えています。

今回紹介する5部門は、下記の通りです。

それでは、さっそく歌声合成ソフト部門から部門賞を発表していきましょう。

 

歌声合成ソフト部門

歌声合成ソフト部門賞は、2021年に発売された歌声合成ソフトを代表するニュースに授与します。

CeVIO AI ソングボイス発売。結月ゆかり麗の発売に始まり、東北きりたん、可不、さとうささら、IA、ONEが発売された

vocafro.hatenablog.com

歌声合成ソフト部門賞は、CeVIO AI ソングボイス発売のニュースに授与します。

2020年にSynthesizer V がAI歌唱に対応しましたが、それに続いて2021年にCeVIO はAI歌唱に対応したCeVIO AI ソングボイスをリリースしました。その最初の製品が1月に発売された「CeVIO AI 結月ゆかり麗」でした。

その後、東北きりたん、可不、さとうささら、IA、ONEと、合計6名の製品が2021年に発売されました。さらに2022年には、星界(SEKAI)、東北ずん子、東北イタコの発売が予定されています。

 

次点のニュースとして、Synthesizer V AIも紹介します。

Synthesizer V AI 音源が相次いでリリース。日本語音源として小春六花、弦巻マキ、ついなちゃん、英語音源としてエレノア・フォルテ、ANRIをリリース

vocafro.hatenablog.com

Synthesizer V はいち早く2020年12月にAI歌唱音源に対応し、SakiがAI歌唱に対応しましたが、2021年もAI歌唱に対応した音源を多くリリースしました。2022年には、京町セイカ、SOLARIA、夏色花梨のリリースが予定されています。

Synthesizer V は、機能アップデートが頻繁に行われている所にも注目です。音質や速度の向上に加え、自動ピッチ調整や自動ノート分割、歌声DBの言語に関係なく日本語・英語・中国語で歌うという機能が追加されました。

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

 

2021年はCeVIO AI とSynthesizer V AIが音源を多くリリースしたことで、AI歌唱製品が一気に増えた一年となりました。2022年も発売が予定されている製品があり、もうしばらくはAI歌唱製品の発売ラッシュが続きそうです。

 

一方、無償で利用可能なAI歌声合成ソフトNEUTRINOも、着実に歌声ライブラリを増やしました。初の男声音源ナクモ、声優・小岩井ことりさんの声を元にしたNo.7と、NEUTRINOオリジナルキャラクターの歌声が追加されました。

vocafro.hatenablog.com

東北きりたん・イタコに続く東北ずん子の歌声も追加されています。また、琴葉茜・葵の歌声ライブラリーも告知され、2022年春にA.I.VOICE琴葉茜・葵の購入者に無償提供予定となっています。

 

新しい歌声合成ソフトが増えるなか、残念ながら終了が決まってしまった歌声合成ソフトもありました。

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

 

今まで挙げた以外の主要な歌声合成ソフトとしては、ヤマハVOCALOIDや、クリプトンの初音ミクNTがあります。

初音ミクNTについては、当初リリース予定だったライブラリDark+とWhisper+が追加され、その後もライブラリのアップデートが続いています。なお初音ミク以外の音源の予定については特に告知されていません。

またVOCALOIDについても、新しい音源のリリースはありませんでした。VOCALOIDは今まで3年〜4年の周期でメジャーバージョンアップしており、VOCALOID5が2018年にリリースされてから間もなく4年になります。もしかしたら2022年の今年になにか新しい発表があるかもしれません。

 

歌声合成キャラクター新人部門

2021年に歌声合成ソフトが発売され、新しく誕生したキャラクターから、最も注目を集めたと思われる新人に、歌声合成キャラクター新人部門賞を授与します。(2021年以前に音声合成ソフトが発売済みのキャラクターは除きます)

 

2021年の歌声合成キャラクター新人部門賞は、可不に授与します。

音楽的同位体「可不」(CeVIO AI)が発売。花譜さんの声を元に制作。多くのクリエイターが公式曲を書き下ろし

vocafro.hatenablog.com

VTuberで歌手の花譜さんの歌声を元に作られたことが話題になり、多くのクリエイターが公式曲を書き下ろし、この記事を執筆している2022年1月3日時点で58曲が公開されています。

youtube.com

ニコニコ動画のランキング上位にも、可不が歌う曲がしばしば登場し、100万再生を達成した可不オリジナル曲が既に3曲あるなど、音源としてもよく使われるようになった印象があります。

 

新人部門の次点として、小春六花も紹介します。彼女も2021年に発売された新人で、音源は声優・青山吉能さんの声を元に作られています。

vocafro.hatenablog.com

小春六花は、有名ボカロPや作曲家によるデモソング13曲が一斉に公開されたことでも話題になりました。

vocafro.hatenablog.com

新人ながら北海道小樽市とのコラボを実施し、作品募集やスタンプラリーなどの企画も行いました。

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

 

それ以外の新人としては、英語女声音源のANRI、NEUTRINO初の男声音源ナクモ、同じくNEUTRINOのNo.7が2021年に誕生しました。

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

ちなみに、以前からトークソフトはあったが歌声合成ソフトとしては新人のキャラクターとしては、弦巻マキとついなちゃんがいます。

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

 

2021年に誕生した歌声合成キャラクターたちの今後の活躍に期待です。

 

テキスト読み上げソフト部門

A.I.VOICE発売。琴葉茜・葵、伊織弓鶴、アナウンス部、結月ゆかり、紲星あかりをリリース。英語版の琴葉茜・葵「Kotonoha Akane & Aoi English」も発売

vocafro.hatenablog.com

テキスト読み上げソフト部門賞は、A.I.VOICE発売のニュースに授与します。VOICEROIDなどに使われる音声合成エンジンを開発している株式会社エーアイから、新しいブランド「A.I.VOICE」の製品として発売されました。琴葉茜・葵、伊織弓鶴、結月ゆかり、紲星あかりの従来キャラクターに加えて、アナウンス部(結城香、潮崎かずき、日ノ出賢、風見壮一)という4名のキャラクターも加わりました。

vocafro.hatenablog.com

 

A.I.VOICEは、費用を抑えたサードパーティー向け「A.I.VOICE Junior」も2021年に発表しており、このプランでリリース予定の音源も多く発表されました。

vocafro.hatenablog.com

特に、VTuberが声を提供してA.I.VOICE Juniorを制作するクラウドファンディングがいくつか行われました。

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

 

それ以外のテキスト読み上げソフトとしては、CeVIO AI トークボイスも2021年に発売されました。こちらも2021年に音源がいくつも増えており、IAとONEに始まり、小春六花、さとうささら、フィーちゃん、ROSAの6名の音源が発売されました。

vocafro.hatenablog.com

 

2021年は、さらにテキスト読み上げソフトが登場しました。

PCに入れるソフトではなく、WebサービスとしてリリースされたCoeFontもその1つです。音源を利用するだけでなく、自分の声を収録することでAI音声合成の音源を作り、他のユーザーが利用できるのも大きな特徴です。

vocafro.hatenablog.com

無料で利用可能なテキスト読み上げソフトもいくつか登場しました。 週刊ボカフロで取り上げたソフトとしては、VOICEVOXやCOEIROINK、TALQuがあります。いずれも2021年に正式リリースされたもので、一気に選択肢が増えた状況になっています。

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

以上、2021年はテキスト読み上げソフトが多く登場した一年となりました。今後は音源も増えていくことが予想されますので、利用者はどれを使うか迷うほど音源が充実する状況になりそうです。

 

テキスト読み上げキャラクター新人部門

2021年に新しく誕生したテキスト読み上げキャラクターから、最も注目を集めたと思われる新人に、テキスト読み上げキャラクター新人部門賞を授与します。(2021年以前に音声合成ソフトが発売済みのキャラクターは除きました)

 

2021年のテキスト読み上げキャラクター新人部門賞は、アリアルとミリアルに授与します。

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

2021年に新しく登場したAI音声合成サービス「CoeFont STUDIO」にて、無料で利用可能なキャラクターとして「アリアル」と「ミリアル」は誕生しました。ニコニコ動画の実況動画でも、彼女達の声をよく聞くようになりました。

2021年はAIを活用したテキスト読み上げの音源は多くリリースされましたが、従来からのキャラクターが新しくAIに対応したものも多い中、新しく登場したAI音声合成サービスと共に誕生したキャラクターとして注目を集めた、この2人を新人部門賞に選びました。

 

次点の新人キャラクターとして、ずんだもんを紹介します。

ずんだもんは、元々は東北ずん子のマスコット的なキャラクターでした。クラウドファンディングで支援を集め、2021年6月にITAコーパスマルチモーダルデータベースを公開した時に女の子の姿を与えられ、その後テキスト読み上げソフトVOICEVOXの音源としてリリースされたという、ユニークな経緯を持っています。

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

 

それ以外の新人としては、小春六花(歌声合成ソフトと同時発売)、足立レイ、ロサ(ROSA)、フィーちゃん、春日部つむぎ、がいます。また、UTAUで歌わせられたキャラクターが新しく話せるようになったパターンとしては、四国めたん、波音リツ、重音テトもいます。

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

 

新しくテキスト読み上げソフトとなったキャラクターたちが、今後どんな活躍をしていくのか楽しみです。

 

アニバーサリー部門

2021年に何周年かの記念企画があったニュースに授与する部門賞です。この部門賞は1つに決められないので、週刊ボカフロで取り上げたニュースからいくつかピックアップして紹介することにします。

 

まずは、2021年2月に15周年を迎えたKAITOです。マジカルミライ2021や初音ミクシンフォニー2021年で、KAITO15周年の企画がありました。それ以外にも15周年記念グッズなども発売されました。

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

 

また、鏡音リン・レンは2021年12月に設定年齢と同じ14歳(14周年)になるということで、それを祝う企画も行われました。2022年には14周年記念の単独ライブも予定されています。

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

 

結月ゆかりは2021年12月に10周年を迎えると言うことで、「A.I.VOICE 結月ゆかり」の10周年記念豪華版も予約販売されました。

vocafro.hatenablog.com

 

ボカロ曲「千本桜」10周年記念企画も行われました。

vocafro.hatenablog.com

vocafro.hatenablog.com

 

ミクダヨーの10周年記念企画もありました。

vocafro.hatenablog.com

 

ミライ小町はVOCALOIDデビュー3周年ということで、記念サイト公開や新曲配信が行われました。

vocafro.hatenablog.com

 

NEUTRINOのめろうは、公開一周年を記念して公式Twitterアカウントが作られました。

vocafro.hatenablog.com

 

ここでは全部のアニバーサリーを紹介できませんが、活動が休止してしまう製品やキャラクターがいるなか、長く活動が続けられるというのは、それだけで価値があるものです。これからもユーザーやファンの思いを受けながら活動が続けられるよう願います。

 

前編のあとがき

以上、2021年 週刊ボカフロが勝手に選ぶボカロ関連ニュース大賞、5部門の発表を行いました。

部門 ニュース
歌声合成ソフト部門 CeVIO AI ソングボイス発売
歌声合成キャラクター新人部門 CeVIO AI ソングボイス 可不
テキスト読み上げソフト部門 A.I.VOICE 発売
テキスト読み上げソフト新人部門 CoeFont アリアル、ミリアル
アニバーサリー部門 KAITO15周年他

念のため書いておきますと、こちらで紹介した部門賞は、2021年に週刊ボカフロで取り上げたボカロ関連ニュースから、週刊ボカフロの視点で勝手に2021年を代表するニュースや新人キャラクターを選んだものです。

2021年を代表するニュースは他にもある、これだという異論は大いに歓迎です。皆さんにとって2021年を代表するニュースをぜひ語ってください。

さて、後半は7部門の発表を予定しています。イベントやライブ、企画に関するニュースの部門賞を予定しています。現在、部門賞選定および記事執筆の真っ最中ですので、しばらくお待ちください。1月中には投稿したいと思っています。

 

<2022/1/4追記>

記事の一部を修正しました:

初音ミクNTとVOCALOIDに関する記述を修正しました。

テキスト読み上げソフト新人部門の新人紹介を修正しました。

<追記ここまで>